【聴きたい音と要らない音】
SN比って、なに?

どうも!!!
長洲ヒアリングのみやたです!!!
今回は、「聴きたい音、要らない音」と
あまり馴染みのない言葉「SN比」について、書いていこうと思います。
 
 ちょっとだけ専門的な内容になりますが、なるべくわかりやすくそして、読みやすい文章を心がけていきます!もしわからないなどのご意見ありましたら、お気軽にお問合せ下さい。

  • サン店長
    なあなあ~みやたさん、最近ちょっとだけ聞こえにくい事があるねんけど、心配なんよ~
  • みやた
    サン店長、大丈夫?聞こえにくいって、具体的にはなにが聞こえにくいの?
  • サン店長
    普段はそんなに思わへんねんけど、電車とかで友達と話してるときとか、居酒屋みたいなトコでの会話が聞こえにくいな~って感じるねん
  • みやた
    サン店長、電車乗ったり居酒屋行くの!?でも確かに僕自身、何回聞き返してもなかなか何を言ってるかわからないっていう経験があるよ!よし、じゃあサン店長の心配が少しでも軽くなるように、SN比についてお話ししようか!
  • サン店長
    SN比?S(a)N店長の比率?ワクワクするなあ♪
  • みやた
    ・・・
  • 【目次】

①聴きたい音ってどんな音?

 さて、サン店長とみやたのやりとりの中に、相手との会話という「聴きたい音」が出てきました。この「聴きたい音」は、聴く人により様々で、会話や音楽といったものから、体温計やインターホンといったものなど多岐にわたります。
 
 
 聴きたい音は場面によっても異なり、例えば救急車のサイレンや火災報知機の音といった緊急性が高く聴かなければいけない音から、冷蔵庫のドアが開きっぱなしのお知らせ音や電気ケトルのお湯が沸いた時の「カチッ」といった、生活をする中で聴こえないと不便な音などがあります。
 
 聴きたい音の種類も様々ですが、その音の大きさについても様々です。前述の緊急性の高い音は、多くの人に聴こえるように大きな音で鳴らしています。一方で、日常生活にある聴こえないと不便な音というのはそこまで大きな音ではありません。
 
 また、そこまで大きな音ではない日常生活にある音は、簡単に他の音にかき消されてしまう可能があるのです。そのかき消す音が、ここでいう「要らない音」になります。

②要らない音ってどんな音?

 「要らない音」というのは、聴きたい音の邪魔をする音になります。前述した、日常生活の音をかき消してしまう音というのは、例えば家の近くに線路や空港があれば電車や飛行機の通る音、近所で工事が行われていれば重機などの音になります。
 
 また、かき消すとまではいかなくても、「要らない音」が原因で、きこえにくくなる場面も多々あります。その一例として、換気扇の「ゴー」という音や、窓を開けた時に外から入ってくる様々な音が挙げられます。
 
 
 では、要らない音は誰にとっても要らない音なのでしょうか?
 

 当たり前なのですが、そんなことはありません。
 


 「要らない音」といっても、何が要らない音なのかは場面や聴く人により異なります。なぜなら、「要らない音」が同じ「言葉」というカテゴリーだったとしても、話している相手の言葉なのか、それとも別のテーブルで話している他人の言葉なのかで、前者は「要らなくない音」、後者は「要らない音」になります。
 
 
 先ほどに挙げた換気扇の音も、換気扇が付いているかどうかを判断するためには、必要な音となります。窓を開けた時に外から入ってくる音も、誰かが外にいるかを知りたい時や外で鳴いている小鳥の声を聴きたい時などは、聴きたい音になりますね。
 
 
 このように、一口に「要らない音」といっても、場面によってそして瞬間的に変化していくのです。
 
 そして、「聴きたい音」をより聴きやすくするためには、この「要らない音」との比率を変える事が大切です。つまり、シンプルに聴きたい音を大きく、要らない音を小さくすることが大切なのです!
 

③聴きたい音・要らない音の比率

 前述の聴きたい音と要らない音との比率というのは、専門用語で「SN比」と言います。わかりやすく言い換えると「信号と雑音の比率」となります。
 
 信号が聴きたい音、雑音が要らない音となり、信号が50㏈で、雑音も50㏈なら「SN比0㏈」となります。また、信号が60㏈で、雑音は50㏈なら「SN比10㏈」となります。
 

 つまり、雑音に対して信号がどの程度の大きさなのかを表すのが「SN比」となります。

 
 これはプラスの値だけではなく、マイナスの値をとることもあります。前述にありました、かき消すような大きな音(電車や飛行機など)であれば、100㏈近い大きさなんてこともあります。通常、人との会話というのは60㏈前後と言われ、大きな声でも80㏈程度。これをSN比に当てはめると、「SN比-20~-40㏈」となり、相手の言葉はほとんど聞こえない状態です。
 
 
 人間の耳というのは、自らの声を自らで聴き、そして自らの声を調整します。周りがうるさい場所だと大きな声に、逆に周りが静かだと小さな声に、無意識の中で調整しています。これは、「雑音(N)に対して、信号(S)を丁度良く大きくすることで、聞こえやすくしている」事になります。
 
 
 ちなみに、信号(S)を上げるよりも、雑音(N)を下げてSN比を上げる方が、耳には優しいのです。
 

④聞こえやすくするコツ

 最後に「きこえやすくするコツ」を、いくつか紹介します。より詳しい方法については「言葉が聞き取りやすくなる環境作り」をご参照ください。
 
 SN比という観点からみると、「Sを上げてNを下げる」事で聞こえやすくなります。では、何をすればSを上げ、Nを下げる事ができるのでしょうか?下記にそれぞれの内容を挙げていきます。
 
【Sを上げる方法】
・大きめの声で話す
・聴きたいテレビや電話のボリュームを上げる
・聴きたい音に近づく
・補聴器や集音器で、音を増幅する
・キッチンペーパーの芯のような筒を口元に当て、効率よく相手に声を届ける

 
【Nを下げる方法】
・換気扇などを止める
・要らない音から遠ざかる
・窓を閉め、外部の音を遮断する
・補聴器などの、雑音抑制機能を使用する

 
 
 その他にも、テレビを見る時にお手元スピーカーを使用してみる事や、カーペットなどで反響の少ない環境作りなども、聞きやすくするコツとなります。また、補聴器をより有効活用するためにも、SN比を意識する事や、コツを活かす事、環境作りにも気を付ける事を御強くお勧めします。
 
 
 今回のテーマに関しましては、相談される方の環境により、アドバイス内容が異なりますので、お気軽にご相談ください(^^)
 
最後までお読みいただきありがとうございました!!

2023/2/3